はじめに

ほくろは、一度できたら自然に取れることはないといわれています。しかし、身近な「糸」を使うとほくろが取れるという噂があるようです。本当にほくろは糸で取れるのでしょうか？噂の詳細を調べてみました。

ほくろは糸で取れるって本当？

ほくろは、先天的なものを除けば、できたばかりのときはほとんどが平らです。長年経過すると直径が大きくなったり、膨らんで立体的なほくろになったりします。ほくろが大きくなると、「ガン化したのかも？」と不安になってしまうかもしれません。 

人目に付きにくい場所のほくろならまだいいですが、目立つ場所にできてしまったほくろであれば、尚更気になるところですよね。そんなほくろを自分で取れる方法として、「糸で縛るとほくろが取れる」という方法が注目されています。 

糸で縛る方法は、具体的にはほくろを糸で縛って血流を止め、細胞を壊死させることでほくろが取れるというものです。このほくろ除去方法は古くから民間で行われてきたもので、「清潔な糸でほくろの根元を縛る」「髪の毛でほくろの根元を縛る」といったやり方が知られています。 

実際のところ、糸で縛るとほくろは取れるのでしょうか？結論から言うと、「実際にほくろが取れるかどうかは怪しい」というのが実情のようです。なぜなら、「ほくろへの血流を遮断するほど糸をきつく結ぶのはとても難しいから」というのが1番の理由として挙げられています。 

ほくろはほとんどの場合とても小さいので、細い糸で的確に根元を縛るのは難しいですし、血流を止めるほどしっかり縛るのも大変というわけです。手元の細かい作業に慣れている医師や、さまざまな治療設備が整った医院や美容クリニックでもなければ、一般家庭でそれほど細かい作業を正確にするのは難しいといえるでしょう。結果、糸で縛るだけでほくろが取れるのは稀なケースだと考えられます。

「糸でほくろが取れる」をやってみたくなったら

糸で縛るだけでほくろが取れたらいいですよね。本来であれば、ほくろ除去手術を受けるにはお金がかかります。病院でほくろを除去するなら受信料や通院費、手術費などが必要で高額になりがちです。市販のほくろ除去用品を購入するにしても費用がかさみます。これに対して、ほくろを糸で縛るだけなら時間も手間も大してかかりません。誰でも手軽にできそうな方法なので、やってみたいと思う人は多くいるのではないでしょうか。 

ただし、糸で縛ってほくろを取ろうとするには、大きなリスクがあると知っておかなくてはいけません。例えば、糸で上手く結ぶことができず、結果としてほくろを刺激するだけになってしまうケースが考えられます。 

ほくろは、メラニン細胞が「母斑細胞母斑（ぼはんさいぼうぼはん）」と呼ばれるものに変異して増殖した結果できる、良性の「できもの（腫瘍）」です。刺激によって細胞の動きが活発化し、メラニン色素がさらに多く作られてしまう可能性があります。これによって、ほくろが大きくなる、ガン化するといった危険性があるので注意が必要です。

自分でほくろをケアするならこんな方法がおすすめ

ほくろを糸で縛って取るのはなかなか難しいですが、自宅でほくろをケアしたいという人には、他にもいくつかの方法が考えられます。例えば、「ほくろ除去クリームを使ってケアする」というのも方法の1つです。ほくろ除去クリームは自然由来の成分を配合したクリームで、海外でも人気のほくろ用品となっています。 

また、日本で古来より病気の治療などに使われてきた「お灸」にもほくろが取れる効果があるといわれています。お灸を試す場合は、もぐさなどの道具を揃えて毎日お灸を焚いてほくろケアを行うのが一般的です。時間と手間がかかっても大丈夫、という人におすすめの方法だといえるでしょう。 

いずれの方法でも、ほくろをむやみにいじったり潰したりするのはNGです。また、ほくろをいじるつもりはなくても、スキンケアの最中に爪で引っ掛けてしまったり傷つけてしまったりすることがあるかもしれません。ほくろに刺激を与え続けると、ほくろが大きくなる場合や、思わぬ肌トラブルにつながる可能性があるのでスキンケアの際もほくろの扱いには注意しましょう。 

安全に確実にほくろを除去したい場合は、自宅でのケアだけでなく皮膚科や美容クリニックの受診を検討してみるのもおすすめです。ほくろ除去方法は、レーザー治療やメスを使っての切除、くりぬく方法などがあります。ほくろの大きさや場所などにおいて、それぞれに適した形でほくろ除去をしてもらえるでしょう。施術後のケア、お肌のトラブルが起きたときの迅速な対応といった点が、クリニックやサロンでほくろ除去することの魅力です。

糸で縛って取れたほくろは、その後どうなる？

糸でほくろの根元を縛り、晴れてほくろが取れた場合、その後はどうなるのでしょうか？ほくろがきれいに取れるかどうか、そもそも糸で取れるかどうかには、個人差があるといえます。きれいに取れてその後も問題なしという人もいれば、全然取れなかったという人もいるようです。 

糸で縛ってほくろが取れた人の中には、「ほくろの芯が残ってしまった」「しばらくしたら、またほくろができた」といった声もあります。根が深いほくろの場合、肌表面にある部分は取れることがあっても、根の部分を取るのは大変難しいようです。このため、一見ほくろが取れたように見えても、時間が経つと根の部分がもとになって、同じ場所にまたほくろができる場合があります。

また、糸で縛ってほくろが取れたケースの中には、血が出てしまった人やほくろの一部が残ってしまった人もいるようです。こうした場合、無理に自分でどうにかしようとせず、皮膚科を受診することをおすすめします。受診の際は、どういう経緯でほくろが取れたか、その後の経過はどうなったかをしっかり説明するようにしましょう。

糸で縛ってもほくろが取れなかった場合は？

すでにご紹介した通り、糸で縛ってほくろが取れるのはそう簡単なことではありません。ずれないようにほくろの根元を糸で縛るのは難しいですし、そのままの状態を維持するのも大変だからです。では、糸で縛ってみてもほくろが取れなかったらどうすれば良いのでしょうか？ 

「どうしてもほくろが気になる」「ほくろを取りたい」という場合は、ほくろ除去クリームを使うか、ほくろ除去手術を受けることをおすすめします。ほくろ除去クリームは海外でも広く使われている、ほくろ除去専用のクリームです。植物由来の成分を配合し、ほくろに塗り続けるだけでほくろが取れます。ほくろ除去手術は、どこで手術を受けるかによって、手術内容や除去方法が異なります。 

ほくろの根元からしっかり除去するのか、痕が残らないことを優先するのか、アフターケアの期間を短縮するのか、など自分の理想とする形に近い除去方法を選ぶようにしましょう。ほくろは基本的に自然に取れることはなく、一度できたらそのままです。時間の経過とともに大きくなったり立体的になったりすることもあります。 

肌の上にほくろのふくらみがあると、大人でも気になるものですよね。人目が気になる思春期の子供ならなおさらでしょう。ほくろ除去手術は、ある程度年齢が大きくなり、アフターケアを自分でできるようになってから検討するのがおすすめです。万が一トラブルが起きても大丈夫なよう、ほくろ除去手術を受ける際は場所や方法、費用などを確認して比較検討すると安心ですよ。